課長座談会

4名が新課長に

課長となった4名に色々なお話しをしてもらいました。ファシリテーターは、日頃よりお世話になっている、やまと建築事務所の松塚社長様にお願いいたしました。

◆ファシリテーター
 株式会社やまと建築事務所 代表取締役 松塚 智宏 様 (以下、松塚)

◆参加者
・土木課   課長 佐藤一美  (以下、佐藤)
・建築課   課長 佐々木彰  (以下、佐々木)
・住宅課   課長 髙橋金太郎 (以下、髙橋)
・社寺建築課 課長 山崎恭経  (以下、山崎)

松塚  まずは改めてお互いに自己紹介をしましょう!休日にどんなリフレッシュをしているかも教えていただきたいです。
では私から、改めまして、やまと建築事務所の松塚です。私は、リフレッシュというか休日は、家の片付けをして気分転換をしています。

佐藤  土木課課長の佐藤です。休日は、子どもと自転車で出かけたり、家族でキャンプをしたりしています。

佐々木 建築課課長の佐々木です。私は田んぼや畑に出て、土に触れてリフレッシュをしています。

髙橋  住宅課課長の髙橋です。私は、車でドライブに行くことがリフレッシュですね。

山崎  社寺建築課課長の山崎です。私も松塚さんと同じで、休日は断捨離や掃除をしています。

完成すると「いがったな」と

松塚  チームや部下をまとめるとなると、自分のリフレッシュも大切にしないとですよね。
では、今の自分の仕事の楽しいところ、どんなところですか?

山崎  社寺は見える、見せるところが楽しいですね。表しになるところは緊張感やプレッシャーもありますけど、そこも楽しいと思いますね。

佐藤  やはり図面通り完成したときです。完成した景色をカメラに収めたときは、嬉しい瞬間ですね。

佐々木 私は意外と淡々とした作業が好きで、墨出しや図面書き、好きですね。なかなかじっくりやる時間はないんですが。

松塚  プレイヤーとしての時間というのは少なくなってきますよね。

髙橋  私は完成した建物を見た時です。お客様は覚悟をして建てるものなので、完成して喜んでもらえると、良かったなと思えます。

松塚  人との関わりも好きなんですね。

髙橋  打ち合わせをして、それを調整、まとめていくのがやりがいありますね。もまれてモヤモヤするときもありますけど、やっぱり完成すると「いがったな」と思う。

松塚  たしかに、完成したものを見ると感慨深いですよね。

皆さん仕事する上で大事にしていることはありますか?

佐藤  公共工事は、地元の方とのコミュニケーションも大切です。地元の声から、発注元に要望をしたりすることもあります。地域に貢献できるように、こちらも最大限努力をします。

佐々木 私は、お客様はなぜそれをやりたいのかを考えます。「このように変更したい」と依頼があった時も、根本の思いによっては、別の方法の方がより要望に添える提案ができることもあります。

髙橋  人と人とのコミュニケーションを大切にしています。それは、お客様、職人、誰に対しても同じですね。口べたな人もいると思うので、相手が伝えたいことをくみ取れるように、考えながらコミュニケーションを取っています。

焦らずに一緒にやる

松塚  コミュニケーションというワードが出ましたが、私達の世代は先輩から厳しく言われたこともあったと思います。自分自身は下の世代とのコミュニケーションはどうしていますか?

髙橋  自分が若い世代の頃は、上司からびしっと怒られたこともありました。その時は落ち込みますけど、それが頭に残っていて、現場でハッと思い出すこともありますね。
今は自分が逆の立場となると難しいところもありますが、課長としてもちゃんと下の世代を育てていかないといけないと思っています。伝え方などを工夫しているところもありますが、真っ直ぐ伝えないと相手に伝わらないことは、伝えるようにしています。

佐々木 自分は細かいことを言われた記憶はないですが、間違っているときはしっかり指摘されたし、だから自分で考えることが身についたように思います。なので、何でも一から十までは伝えずに、自分で考えて行動ができるような伝え方を心掛けていますね。

佐藤  話す中で共通の話題などを見つけて、時々雑談も交えながらやっていますね。仕事の流れはきちんと説明して、焦らずに一緒にやりながら段々と覚えてもらうよう心がけています。

松塚  急いでいると、自分がやった方が早く済むというジレンマなんかもありますよね。でも、後輩の技術力とともに、マインドも高めてあげたい、という先輩心ですね。

佐藤  自分はストレートに怒られることもありましたけど、やれる仕事を見つけながら色々動いていましたね。昔は若手でも現場を任せられることもあったので、自分で試行錯誤をしながら覚えていった感じでした。

松塚  上から怒られたことで、こういう伝え方をするとこう思うんだな、と自分自身感じたわけですよね。でもそれが身になっていることもあるから、コミュニケーションと伝え方の部分を工夫しているということなんですね。

元請業者として、工事、建物を失敗させるわけにはいかない

松塚  社内だけでなく、様々な業者の方達と関わることも多いと思いますが、現場内でうまくコミュニケーションが取れないときなんかはどうしていますか?

佐藤  できる限り、そうなる前にバランスを考えて人員配置をやっています。まず話をしてコミュニケーションを取って、その人の仕事の仕方を見る。チームをまとめている者にも早めに伝えて、円滑に回るように心がけています。

佐々木 私が担当する工事はお客様の工場内での作業が多いのですが、工場内での仕事は時間や場所に制限があり、臨機応変に対応できることが求められるので、業者さんの選定のときから、そのような点はきちんと見るようにしています。

松塚  社寺関係は、プライドを持った様々な職人さんをまとめないといけないと思いますがいかがですか?

山崎  伝え方、やり方などを変更したりして、もしそれでもうまくいかない、現場に支障が出る業者さんがいれば、申し訳ないですが現場を離れてもらいます。元請業者として、工事、建物を失敗させるわけにはいかないので。

松塚  もし後輩が現場内でうまくいかないときは、どうしますか?

山崎  考え方としては変わりませんね。業務の範囲を変えたり工夫をします。自分は大工としても仕事をしてきて、現場は日々動いているので、若い頃自分ができないことは別の人に配置が変わることもありました。その中で色々なことをやらせてもらっていくうちに、自分も次はあれをできるようになりたい、と思って仕事をしてきました。

松塚  そうやって育てられてきたということですね。すごく明快ですが、相手に伝えるときはどうしますか?

山崎  自分は基本的にはっきり伝えるタイプなので、伝え方は周りにも相談します。難しいですけど、伝えないといけないことはちゃんと伝えます。

松塚  なるほど。小田島さんの社員さんは若い方達も含め素直な方が多い印象がありますね。現場でも現場以外でも。
ちなみに小田島さんの忘年会(松塚社長含め協力会社の方達もお呼びしています)の時なんかは、若手も色んなところで盛り上がってましたね。上の人もみんな楽しみながらそれを温かく見守っているという。そんな会社もなかなか珍しいですよね。

髙橋  そうかもしれないですね。世代や所属を超えて盛り上がっています。

後輩へしっかりした基盤を

松塚  では最後に、チャレンジしたい仕事やこれからやってみたいこと、プライベートなどでも、ありますか?

山崎  本堂の建築など、規模の大きい現場もやりたいですね。会社の仕事のためにもですが、自分もさらに経験を積みたいです。お寺自体を支える檀家が少なくなっているのもあるし、大規模に手を掛けるお寺さんも多くはなくなってきているので。でも社寺建築課長となったからには、やりたいですね。

髙橋  住宅部門は自分と後輩の年齢が結構開いていて、まだまだこれからというところもあるので、しっかりした基盤を作っていきたいですね。住宅部門として今までと違った展開も進めているので、基盤を作って若手へ繋げていければと思っています。

佐々木 仕事ではないんですが、うちは農業をやっているんですけど、農業用ドローンの操縦をやりたいですね。去年免許は取ったんですけど、実際に機械、操縦したいですね。

佐藤  私はプライベートとしては、2年前くらいに小田島工務店で自宅を建てたんですけど、バーベキューやるのが趣味なので、今度はバーベキューをやる場所も作りたいなと。(笑)

山崎  東屋ですか?

松塚  あ、今山崎さん仕事の顔になりましたね(笑)

佐藤  そういうところを作って、休日楽しみたいなと思いますね。まだ外構とか色々考えてますけど…。

松塚  ほかにも結構プラン考えてるんですね!

この座談会のまとめとしては、最初どうなるかなと思いましたけど、皆さんの考えやコミュニケーション、やりかたとか、担当や分野が違っても共通することもたくさんありましたね。ありがとうございました。
一美さん、ちなみに東屋は何年後くらいですか?次回はそこで、今回とは違ったコミュニケーションということで、バーベキューしましょう!

山崎  みんなテントとか持ち寄ってキャンプしましょう。

佐々木、髙橋 賛成です。

一同  ありがとうございました!

若手大工 〈森田優人〉 『自分の家を建てる気持ちで』

手を動かす大工仕事がしたい

 自分は大仙市出身で、大曲工業高校(建築土木科)を卒業後、すぐに小田島工務店に入社し、今年で7年目の25歳になります。卒業後の就職先を考えていた際、高校の先生には求人票にあった現場監督を勧められていたのですが、自分としてはどうしても現場で大工仕事がしたいという気持ちがずっとあって。
 そんな時、小田島工務店で見習い大工としての求人があり、迷わず入社したという経緯がありました。一応、施工管理や二級建築士などの資格を持ってはいますが、設計など基本座ってばかりいる仕事は嫌で、手を動かす大工仕事に魅力を感じています。

大工のおじいちゃんの背中

 自分には今80歳になるおじいちゃんがいるのですが、そのおじいちゃん自身も大工であるということもあり(今も現役)、幼い頃からその仕事をする背中を見て単純に「格好いいな」と思っていました。高校卒業後、小田島工務店への就職(大工仕事)が決まった時におじいちゃんにそのことを報告すると、「大工仕事ってのは、人には人のやり方があるし、会社には会社の考え方があるんだから、俺はお前に何も教えたりしないからな」と言われたんです。長年大工として働き、現場のことをよく知っていたおじいちゃんだからこそのアドバイスだったと思います。つまり、大工仕事というものは“教えられるのではなく、自分で学べ!”ということなのだろうと、今は受け取っています。

大工の技を残すため

 入社当初、若い人が少ないこの業界で「大工志望なんて珍しいな」と年配の先輩方には言われていたのですが、そんななかで小田島工務店の現場では、棟梁をはじめとして若い人材を大切にしてくれている(面倒をよく見てくださっている)のを日々感じ、ありがたく思っています。今では若い世代の大工も6人と多くなってきましたし、自社で大工さんを10数名も抱えている工務店は、この辺ではあまりないのではないかなと、すごいことだと思います。
 小田島工務店の現場では、今後この業界に大工の技がきちんと残っていくようにするための先行投資を大事にしているように感じます。だからこそ、僕らのような若手の大工を採用し育ててくれているのだろうと思います。これから先の建築業界の状況を見据えた小田島工務店ならではの考え方・姿勢なのだなと、日々感じながら働いています。

みんなの仕事の集合体

 仕事の現場では、これまでも自分なりに考え、自分で作業してはいるのですが、やっぱり棟梁は発想が違うなと思わされるシーンが多々あります。まだ社寺仏閣の現場経験はなく、「刻み(部材を作る作業)」という工程をさせてもらったことはありますが、社寺仏閣などの現場は普通の一般住宅と違って、部材の名前(読み方)一つも分からないというのが、現段階の自分の実力です……。
 壁紙一つ貼るような現場にしても、貼りもの担当の人にとって、自分が担当するような下地がきちんとできていないと最終的な仕上げはキレイにできないんですよね。そういった意味でも、仕事のできる人は下地(見えない部分)が上手いと言われています。そんなところにも、建築の現場とは、そこに働くみんなの仕事の集合体として出来上がっていくものだ、ということを改めて学ばされています。

自分の家を建てる、そんな気持ちで

 木材の値段が上がるWOODショックなんて影響もあって、今はこれまでのように地域にバンバン建築物を増やしていくような状況ではないと感じています。そんな時だからこそ、地域に長く大切にされる社寺仏閣のような建築物などを丁寧に作れるようになれたらいいなと思います。
 それから、まずは周りの人に信用してもらい、安心して仕事を任せてもらえるような、そんな人・大工になりたいと思うし、将来は自分の家を自分で建てたいという気持ちがあります。自分が親と一緒に住んでいる今の家は、自分が4年生くらいの時におじいちゃんが建ててくれた家なんです。だからこそ、なおさら自分で建てたいという気持ちがあるんだと思います。
 俺たちにとっては一年間に何棟かあるうちの一つ仕事ではあるけど、施主さんにとっては一生の中での建物。そういう点では気を使って一つ一つ丁寧に、自分の家を建てるような、そんな気持ちで大工仕事に向き合わなければと思います。